【第6回 京都一周トレイルグランドトラバース】マジでリタイアを考えた、キツいレースの一部始終

【第6回 京都一周トレイルグランドトラバース】マジでリタイアを考えた、キツいレースの一部始終

2022年9月3日(土)に開催されました「第6回 京都一周グランドトラバース」。59km、走ってきました。いや、実はもっと長い距離をなんですがね(汗) そのことについては、のちほど。

このレースは、関西エリアで多くのトレランレースを企画運営する「アクトレップ」さんによるもの。京都一周トレイルの嵐山から鞍馬を経由し、山科にある毘沙門堂を目指すトレランレースです。

僕はこのコースを下見も兼ねて走ったし「比叡山トレイルラン」で一部コースを走ったので、土地勘はなんとなくありました。ただ、1つだけ不安材料が。9月の頭に開催されるため、残暑が心配ということ。

そして、不安は的中。結論を言ってしまうとゴールはしたけど、2度ほどリタイアを考えたレースとなりました。そんなレースの一部始終をご紹介いたします。

目次

京都一周トレイルグランドトラバースの特徴

京都一周トレイルグランドトラバースは「東山コース」と「北山コース」で分かれていた大会を1つにして欲しいという声からスタートしました。第1回大会は「京都一周トレイルグランドトラバース65」という名称。

嵐山公園をスタートして山科にある毘沙門堂を目指す59kmのレース。途中、高雄〜鞍馬〜静原〜仰木峠〜ケーブル比叡〜銀閣寺横〜大文字を経由します。累積標高は、2400m+。ITRAポイントは「3」です。

制限時間は、12時間。関門時間は…

チェックポイント距離関門時間
エイド1:清滝橋8.5km
エイド2:山の家はせがわ19.5km
エイド3:鞍馬駅前26.5km14:00
エイド4:大原戸寺公民館37.0km15:00
エイド5:ケーブル比叡駅46.0km17:00
エイド6:京都朝鮮学園校庭53.0km18:30
FINISH:毘沙門堂59km20:00

と、なっています。

コースはロードも多く、案内やスタッフさんがしっかり配備されているので走りやすいです。また、橋の崩落やヒメスズメバチの巣があるなど注意喚起と迂回路の設定にもバッチリ対応されていました。

「第6回 京都一周トレイルグランドトラバース」レポート

装備品について

レインウェアとヘッドライトが必携品になっていたので、漏れなくパッキング。補給食は、コンビニとサービスエリアで購入したものを実験的に持っていきました。

  • 水(ハイドレーション:2リットル)
  • こだわりのバタピー
  • 7プレミアム 煉羊羹 × 2個
  • 安永餅(桑名名物)× 3個
  • エナジージェル(マグオン:バナナ × 2個 + ピンクグレープフルーツ × 3個)
  • 紙の地図
  • 携帯コップ
  • 小銭
  • DJI Pocket 2
  • スマホ
  • モバイルバッテリー
  • ポケットティッシュ
  • 絆創膏
  • テーピング
  • ポイズンリムーバー
  • ヘッドライト:Ledlenser/H8R
  • ホイッスル
  • 携帯トイレ
  • エマージェンシーシート
  • タオル
  • レインウェア:THE NORTH FACE/Strike Trail Hoodie
  • ザック:THE NORTH FACE/TR10

ウェアーについて

暑くなりそうだったので、ノースリーブシャツに短パンで。GPSウォッチを自宅に忘れてしまい、ログはスマホ(Strava)で取りました。

  • キャップ:milestone
  • トップス:ノースリーブシャツ/RUNSICK
  • グローブ:THE NORTH FACE
  • パンツ:THE NORTH FACE/フライウェイトスピードショーツ
  • ソックス:injinji
  • シューズ:ALTRA/MONT BLANC(モンブラン)

コースについて

出展:京都一周トレイルグランドトラバース

嵐山から比叡山方面へと京都一周トレイルを走るのは、はじめてのこと。これまで経験したコースを逆走するので、また違った感覚。40kmを超えたあたりの「水井山」「横高山」がボスなのは、同じでした。

写真で振り返る

この日は、すこぶる快晴。まちがいなく暑くなりそう。嫌な予感しかしない…

この日は京都在住のラン友さんと娘さん、相方が応援に駆けつけてくれました。嬉しい! 背中を押されて8:10分、スタート。

しばらく嵐山観光地区を走ります。京都の風情を感じることができます。

スタートしてすぐのところにある「六丁峠」に到達。ここから下って川沿いを進みます。

清滝川に到達。とても気持ちのいいコース。もう、飛び込みたい。水浴びしたい。

しばらくすると、後ろから迫ってくる感覚が(汗)  追い越してもらうと、そのままの勢いですぐに見えなくなりました。そして、女性1位でゴール。トップ選手の走りを目の当たりにしました。

8.5km付近にある第1チェックポイントに到達。ここで、ゼッケン番号のチェックをしてもらうため並んでいます。

ウォーキング指定区間を歩いているところ。この間に補給しようとコンビニで買った煉羊羹を口に入れる。これが、のちのち足を引っ張る一因になる。

ウォーキング指定区間を抜けて林道を進む。日影になっているところは気持ちよく走れる。

下りも気持ちよく走れる。

結構な斜面を上る。このくらいから暑さも影響して、キツくなってくる。スタートして15kmくらいしか進んでいないにもかかわらず…

峠道を経て、19.5km付近にある第2エイド到達。すでにフラッフラで、スポドリをガブ飲みして少し回復。ハイドレーションの水もかなり減っていたのでしっかり補充させてもらいました。

エイドから峠道に戻り、さらに上る。少し回復したはずなのに、ヒットポイントは残りわずか。あれ?

峠道、里山としばらくロードが続いてからのトレイル。木陰の下りはまだ走れる。

ワラーチ兄さんを発見! 嬉しくなってしまい、しばらくあとを追いかけました。

ワラーチ兄さんを追い越してしばらく進んだところ。少しずつ体調に違和感がでてきました。

とにかく胃が気持ちわるい。力が入らない。水を飲んでも調子が上がらない。白目むき出しで上りながら、次のチェックポイント「鞍馬」でリタイヤしようなんて考えてました。

ようやく向山のピークに到達。数年ぶりにその場でへたり込んでしまい、5分ほど休憩。

鞍馬を目指し、山を下りる道中。後ろからどんどん抜かれていく。でも気にしない。だって僕は鞍馬でリタイヤするんだから。と性根が腐ってる状態でとぼとぼ進んでいるところ。

この坂を下りれば、鞍馬に続くロードに出られる。でも見てください、この急勾配っぷりを。滑りやすく細いトレイルをビクビクしながら進みました。

ロードをしばらく進み、鞍馬へ到達。距離にして26.5km付近。途中、スポドリを飲んで少し復活。ここでは、コーラを飲みさらに復活。リタイヤ覚悟でここまできましたが、先を目指すことにしました。

鞍馬を出て少し行ったところ。もう、こんなトレイルが! このまま進めるのか? 今なら引き返せるぞ。なんて想いが頭をよぎる中、一歩ずつ歩きました。

集落に出たところ。時刻は13時を過ぎたくらいだったかなと。とにかく日差しがキツい。

しばらくロードが続いてからのトレイル。日影がありがたい。

トレイルのコンディションもよく、走りやすい。

37km付近のエイド「大原戸寺公民館」に到達。この先に、ボス「水井山」「横高山」が控えています。

目の前にあるゲートを抜けて、お山へ。

ゲートを抜けてしばらく進んだところ。じょじょにキツくなってきた。でもボスはまだ先。

木の根が斜面を覆っている場所がところどころあって、何度も転びそうになる。

倒木をくぐって先に進まなければならないのは、よくある光景。

ようやく仰木峠に到達。いよいよボスにアタックします。

キツいキツいと言いながら、ひたすら上る。

練習も含めて、水井山・横高山アタックは3度目。やっぱりキツい。個人的には、これまで経験したトレイルの中でキツさベスト3に入る。

横高山のピークまで残りわずかのところ。斜度は相変わらずキツい。

やっとのおもいで横高山ピークに到達。ここまでこれば、あとは比叡山と大文字山くらいかとホッとする。でも、そんな甘いもんじゃあない。

上りがキツければ下りがキツいのも当然のこと。

下ったところにある簡易エイド。水分補給もできて、気持ちを切り替えられました。

しばらく進んだところにある「玉体杉(ぎょくたいすぎ)」。ここは千日回峰行とも縁がある場所。行者が京都御所に向かって玉体すなわち天皇の安泰を祈り、国の平安を祈ります。

さらに先へ進むと「奥比叡ドライブウェイ」にぶつかる。その脇を進む。天気が怪しくなってきた。

うおっ! バケツをひっくり返したような勢いで雨が降ってきた!

いそいでレインを羽織る人。でも僕はそのままズンズン進む。なぜなら、シャワーランが好きだからぁぁぁ。

土砂降りの中、テンションは爆あがり。おそらく前を走る人たちも同じ気持ちだったハズ。

延暦寺の寺域はウォーキング指定区間。ずぶ濡れで歩きます。

延暦寺の寺域を抜けて、走れる区間に入ったところ。ガレたコンディションを頑張って走る。これもシャワーランでテンション上がったおかげ。ケーブル比叡駅エイドまでもう少し。

カメラのバッテリーがなくなり、スマホで撮影。ケーブル比叡駅に到達。46km付近。あとは下って大文字山を上ればゴール。先が見えてきた!

比叡山の下り。すこぶる調子がいい。まだ足が残ってる。ヒャッホー! と調子に乗ってたら、このあと痛い目に遭いました。

「水飲対陣碑」に来るのも3度目。以前、この辺りで激しくロストしたので記憶に鮮明にある場所。そんな想いに浸りながら右奥のコースではないトレイルを勢いよく下る。

石碑を少し下ると崩落した橋があるんだよなぁ。でもおかしいなぁ。すぐ近くにあったはず… そう想いながら絶賛ロスト中。ずんずん下っていきました。

ロストしてコースに復帰するまで、30分近くかかったような。心が折れてしまい、モチベーションがダダ下がりになりました。

さっきまでの勢いは、もうない。とぼとぼ歩いたり軽く走ったり。そうこうしながら先へ進みます。

前を行くランナーを追いかけていたら、じょじょに調子が上がってきた。

バプテスト病院の脇道に到達。長かった比叡山もここで終わり。残すは大文字山。

比叡山からウォーキング指定区間になっている住宅地を抜けると、最後のエイド「京都朝鮮学園校庭」がある。ここまででおよそ53km。ゴールまで5km弱。

大文字山ってこんなんだったっけ? はじめて通るコースは、こんな階段がひたすら続く地獄であった。最後の最後でこの仕打ち。

もう、えぇわ。ってくらい、ひたすら階段が続く。

階段を抜けると視界がひらけてきた。大文字山の火床に到達。ここからの眺めは、頑張ったご褒美。疲れを癒してくれました。

火床からさらに階段を上り、トレイルを上ってようやく大文字山のピークに到達。あとは下るのみ。

大文字山の階段で足を使い果たしてしまったのか、もう走れない。後ろから抜かれても、なにくそと奮起すらしない。心身ともにヘトヘト状態。

軽快に抜いていくランナーを見て、自分はまだまだ弱いと実感する。しかし悔しさより、はよ終わってくれとおもうばかり。

ゴールまで残り3kmもないはず。そう言い聞かせて、なんとか走る。この先、複雑な分岐を案内に沿って下ればゴールの毘沙門堂までわずか。

おっかしいなぁ。ゴール目前のはずなのに。ここにきて深いトレイルに来ちゃったよ。どこにあるんだ、毘沙門堂…

トレイルを抜けたところで勢いよく抜かれる。「あと少しですよ」と言葉をかけてもらい、僕も走りだす。

しばらく進むと、毘沙門堂と書かれたのぼりが。曲がって上ればゴールと聞き、最後の力を振り絞る。

右に曲がればゴール。相方も待機してくれてました。いやぁ、ありがたい!

そして… ようやく… ゴール! 長かった。リタイヤも考えたけどあきらめずに走ってよかった。そんな想いがぐるぐるこみ上げてきましたが、とにかく今はコーラをガブ飲みしたい!

感想

記録は、10時間12分48秒。久しぶりにリタイヤを考えたレースでしたが、歩いてでもゴールできたのはよかったです。

距離は59kmとなってますが、Stravaでは69kmとなってました(笑)GPSの誤差もありますが、盛大にロストしたのでしっかり距離を稼ぎましたよ。

ただ、課題もいくつか見つかりました。暑さに弱い点と水を飲みすぎたことで水中毒っぽくなったこと。補給食のチョイスを失敗して羊羹や安永餅は合わなかったことなど。これらを踏まえて次のレースに備えます。

後半まで気力と体力がもたないのも僕の弱いところだなぁ〜と痛感しました。抜かれてもなんとも思わないとか、ダメでしょう(汗)最後までなにくそ精神でプッシュできるようになりたいですね。

まとめ

京都一周トレイル、今回はレースで走りましたがコースも整備されていてオススメです。街からアクセスしやすくエスケープもしやすいので、気分でエリアを選ぶことができますよ。

キツいパートと走れるパートがあって、メリハリのあるコースです。観光要素は少ないですが、眺望で京都の街並みを楽しめるのでオススメですよ。

このレースに興味がある人は、まずは京都一周トレイルのコースを走ってみてください。東山・北山・西山コースとパートを分けて走ることもできるので、気軽に楽しめるハズです。

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この記事を書いた人

ラン歴10年弱のアラフィフランナー。ダイエットきっかけで走りはじめました。2019年元日、1日も休まず走り続けるチャレンジをスタート。2023年2月22日、1,514日で終了。肉ばなれで走れなくなりました。最近はトレランがメイン。マイラー目指しています。

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